出生前診断を全妊婦に広く周知する施策を国が進めていることについて

 「てなわけで今日も楽しい一日でした」離れて暮らす父親へ毎晩の電話報告は決まってこの言葉で締めくくられます。

 37歳ダウン症の娘は、18年間の福祉作業所での生活を経て、昨年つくば市にある福祉型専攻科に入学しました。様々な障害を持つ10代の仲間たちと一緒に学んでいます。「障害があるということは決して不幸ではない」と言える程、私も親として年を重ねてきました。

 最近、出生前診断を全妊婦に広く周知する施策を国が進めていることを知りました。一体何の為の誰の為の施策なのでしょう。

 障害を否定的に捉えることによって生じる苦しみがあります。一方障害を知り受け入れることで得られる心の平安もあります。

 障害を持った人が自ら外に出て声を上げるようになって、この社会は格段に暮らし易くなりました。障害があっても、持っている力を存分に発揮して輝いている人も大勢目にします。

 国はこれまで通り、その後押しをして下さい。医学の進歩というメスで命の可能性を断ち切るような方向には傾かないで下さい。

 娘がこの世にダウン症として生まれてきた意味を考えることによって、私は親として生きています。



シャンティつくばに通う学生の保護者からいただきました。

福祉型専攻科シャンティつくば

「青春を楽しみたい!」「もっと学びたい!」 そんな声に応え、青年期教育を行う福祉事業所です。

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